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このゼミについて(2026年度ゼミ募集の詳細・追加情報はInstagramをご参照ください)
1.研究分野
本研究会の研究分野を知ってもらうために、担当教員の専門的な関心について説明します。私の専門は18世紀ヨーロッパの社会思想史、主な研究対象はデイヴィッド・ヒュームやジャン=ジャック・ルソーなどです。ヒュームは経済学の祖と言われるアダム・スミスの親友でもあり、経済学的な著作も残していますが、同時に哲学者(倫理学も含む)・歴史家としても知られています。また、ルソーは、経済学史に個別の貢献をしたわけではありませんが、文明批判という形で商業活動を中心的な原理とする近代社会そのものを批判した思想家でした。いずれも特定の学問の名前を冠した「○○学者・思想家」と限定されない点に特徴があります。
本研究会では、経済(学)的な領域と他領域(哲学・政治・法・倫理)との関連を視野に入れつつ、広い意味での哲学——政治哲学と経済思想・倫理——における様々な「主義・思想」について学んでいきます。本研究会の守備範囲を知るための一つの手がかりとして、マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう:いまを生き延びるための哲学』(鬼澤忍訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2010年)を参照してください。本研究会での活動を通じて、一見すると経済学とは関係のなさそうに見える諸問題も、私たちが目指す社会のあり方とは切っても切れない関係にあること、経済学的思考の適用範囲の広さと限界とを学んでもらいたいと思っています。
研究会の進め方については、代表的な思想的立場(功利主義、リベラリズム、リバタリアニズムなど)を扱った本をテキストに用い、輪読・ディスカッションを中心に進めていきます。合宿やゼミで、ゼミの内容に関わる映画を見ることもあります。
2.学生への要望
本研究会で扱うテキストに数式は出てきませんが、思想という抽象的な内容を理解・駆使する能力と、多分野にわたる幅広い知識が必要になってきます。「数学が苦手だから」という消極的な理由での応募は勧めません。ふだんから本を読む習慣を身につけていること、幅広い関心を持っていることが求められます。
遅刻・欠席、議論への不参加、提出物の遅延・未提出は、成績評価・単位取得に著しく影響します。予習・復習もせず、研究会の最中、黙って座っているだけで単位がくることはありません。ゼミ生同士が仲良くなることも重要ですが、そうした個人的な親しさがなくても、各ゼミ生にはしっかりと自分の意見をもち、それを人に伝えられる公共性を身につけてもらいたいと考えています。
サブゼミなどの活動はおこなっていませんが、これは、通常のゼミでの報告・レポート作成の準備などに相応の時間を要するためです。学期末レポートでは約半数が書き直し・再提出となり、卒業論文については第四〜六稿にいたるのが通例です(いずれも事前にアウトラインの提出を義務づけており、アウトラインの段階で複数回の書き直しをしているにもかかわらず、です)。
3.ゼミ担当教員Q&A
Q:学生時代はどんな感じでしたか?
A:授業には真面目に出ていましたが、ノートを貸してあげた友人の方が成績が良かったです。早稲田の学部から大学院進学の内部推薦が取れない程度には成績が悪かったです。自分のやりたいことしかやりたくない人間なので、大学院に進んでからの方が人生楽しくなりました。
Q:休日は何をしていますか?
A:世間で言うところの「休日」というものがないので、基本的にはずっと仕事をしていますが、それ以外は家族に料理を作ったりしています。週に2回、近所のプールで泳いでいますが、体力維持のためにやっているだけで、別に運動が好きなわけではありません。
Q:普段、音楽を聴きますか。
A:アニソンしか聞きません。寝る時には怪談をききます。その後はずっと雨の音を聞いて、途中で目が覚めたら雨の音で寝られるようにしています。あと、普段でも雨の音を聞きながら仕事をしていることは多いです(どうやら雨の音などはホワイトノイズと言うらしく、ADDやADHD傾向の人には集中力を高めたり、気分を落ち着かせる効果があることを最近知りました)。
Q:好きなドラマやアニメは?
A:ドラマは見ません。好きなアニメは、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』、『バビロン』、『異世界おじさん』、最近だと『メダリスト』でしょうか。アマプラでアニメを流して音声だけ聞きながら雑用を片付けています。
Q:「粒あん」と「こし餡」、どっちが好きですか?
A:あんこ自体、食べられません。というか、甘いもの全般、ほとんど食べません。主食で好き嫌いはありませんが、焼きそばだけは食べられません。小学校2年生の時に焼きそばを食べた日の夜に盲腸炎で病院に担ぎ込まれて以来のトラウマです。
Q:最近した買い物でよかったものは何ですか?
A:iPad用のMagic Keyboardですかね。なるべく紙の本を増やしたくないので、iPad Pro 13インチでKindleの電子ブックを読んでいますが、メールを書いたりするのにMac Bookも持ち歩かないといけませんでした。なるべく荷物を減らしたいと思っています。
Q:何かこだわりはありますか?
A:靴紐のある靴は履きません。そもそもスポーツ用でもなければ靴紐は不要ですし、いちいち結ぶのも時間の無駄で、ほどけたら踏んづけて危険です。あと、柄ものや派手なデザインの服は着ません。そういう服を着ていると、なぜか不安になるので(細かいチェックやストライプは除く)。
1. Field of Study
My speciality is in modern European intellectual history (history of social thought), especially David Hume, Jean-Jacques Rousseau and other Enlightenment thinkers. Hume was one of the closest friends of Adam Smith, the founder of modern economics. Hume not only wrote some crucial economic essays, but is also known as an influential philosopher and the author of History of England. Jean-Jacques Rousseau is famous (or notorious) for his fierce criticisms of modern civilization and inequality in private property. Neither philosopher can squarely fall into any particular discipline of highly compartmentalized social sciences.
Similarly, our seminar addresses the relationship between economics and other disciplines, such as philosophy, ethics, law and politics. In a sense, the theme of this seminar is philosophy in its broader sense—more specifically, political philosophy and economic thought. Our subject matter is not limited to the past centuries; it deals with various contemporary philosophical positions—utilitarianism, liberalism, libertarianism, or communitarianism. You might have a rough image of the topics dealt with in this seminar if you read Michael Sandel, Justice: What’s the Right Thing to Do? (Penguin: 2010; Japanese translation is also available).
Through the activities in this seminar, you will learn that economics is inseparable from other branches of social sciences. You are also expected to understand seemingly purely theoretical topics in economics are often related to the issue of how we are to live in modern capitalist society.
In our regular seminar, we read and discuss on some classical or contemporary books related to socio-philosophical issues. These classics range from the 18th century (e.g., Jean Jacques Rousseau’s Origin of Inequality) to recent books (Peter Singer, How Are We to Live?). A term paper must be submitted (written in English is acceptable).
Discussions in this seminar are conducted basically in Japanese (but I will help you to express yourself when arguments become complex). This requires a basic competency to understand everyday conversation in Japanese.
2. Expectation for students
You are expected to attend this seminar regularly and punctually, and to actively participate discussions. If you fail to submit a term paper by the deadline, it would affect your grading significantly.